アイズストレッチとは、文字通り目のストレッチという意味ですが、単に疲れ目や眼精疲労を解消するためだけのものではありません。スポーツをするにあたってジュニアのうちから才能を伸ばすためのトレーニングが欠かせないように、このジュニアスポーツに大きな効果をプラスするのがアイズストレッチなのです。
人は情報の8割を目から得ているといわれ、現代社会ではパソコンにスマートフォンなど、さまざまなモニター画面を凝視することで情報を得ています。その結果、眼精疲労に悩まされるわけですが、スポーツにおいても同じことがいえます。
どんなスポーツをするにしても、まずは目から情報を仕入れ、的確に状況判断を行えなければ、自分が次にすべき動きの判断が遅れてしまうからです。目から得た情報は脳に伝えられ、脳が情報を判断してどう動くかを指示します。目から得る情報が多く、取得するまでのスピードが早ければ早いほど、脳から出る次なる指示も早くなるのです。スポーツにおいては、この一瞬の差が明暗を分けるのは明らかで、能力を上げるにはアイズストレッチが欠かせません。
アイズストレッチがもたらす目の機能性アップ効果
アイズストレッチでは、周辺視野と呼ばれる周囲を把握するための視野、動体視力と呼ばれる動くものを捉える目の力をより向上させることを目標に、目を動かしている6本の筋肉を鍛えるトレーニングを行います。トレーニングをするときに大切なのは、トレーニングするのと同じくらい、念入りにストレッチを行うことです。
トレーニングをしているときの筋肉は緊張していますので、ストレッチを行って意図的に緩めないと、筋肉は常に緊張したままになってしまい、しなやかさに欠けてしまいます。
しなやかでありながら強いということが、スポーツにおいて目がもたらす力をアップさせ、パフォーマンスの向上に直結するのです。体の筋肉にも、トレーニングとストレッチは必ずセットで行うように、アイズストレッチでも目を動かす6本の筋肉をトレーニングしたら、必ずストレッチでほぐします。これによって効果的にトレーニングとストレッチができるようになっていますので、周辺視野と動体視力を鍛えることが可能です。
ジュニアスポーツにとってアイズストレッチはなぜ効果的なのか
周辺視野と動体視力は10代後半まで成長し、ピークを迎え、その後は下降線を辿り、どんどんその機能は低下していきます。体は年齢とともに老化していくものですが、周辺視野と動体視力の老化は、想像以上に早く始まることに驚く人も多いことでしょう。
トップアスリートの多くが、幼少期からスポーツに打ち込み、10代の半ば頃から才能を開花し始めるのは、周辺視野が広く、動体視力に優れているためです。とはいえ、これらの目を動かす正しい方法を知らなければ、能力の開化には結び付きません。
アイズストレッチを実践していないとすると、潜在的にこれらの目の筋肉を動かしたり緩めたりといった機能に優れていたと考えられます。大半のジュニア選手が頑張ってもなかなかトップにまで辿り着けないのは、身体条件などもありますが、一番は目の使い方が上手かどうかだといっても過言ではありません。球技において特に当てはまるのが、ボールを追うという目の動きです。
動体視力が速ければ速いほど、素早くボールに合わせてついていけますし、周辺視野が広いと周りの状況の把握も早くなります。アイズストレッチは球技というスポーツにおいて、最も効果を発揮するといっても過言ではないでしょう。
アイズストレッチによってもたらされる具体的な効果とは
アイズストレッチでは、目につながる6本の筋肉を鍛え、そしてストレッチをすることで柔軟かつ強い筋肉を作ります。これによってまず、目の可動域が広がります。目玉の動きが滑らかになるため、四方八方にスムーズに動くようになるのです。バレーボールの場合、ボールを追うために顔を動かすと体の軸がぶれてしまい、逆にボールの動きに追い付けなくなります。
そのため、腰を落として頭はしっかりと固定し、目を動かすことによってボールを見るのです。いわゆる目でボールを追うというもので、これをより効果的に行うには、目をあちこちに動かせるよう、可動域を広げなければなりません。
周辺視野と動体視力も鍛えられるアイズストレッチなら、目の可動域を広げてより広いところまで見えるようにしたら、周辺視野を捉える能力のアップに加え、動体視力がよくなることで、広い範囲を素早く見渡し、速い動きについていけるようになるわけです。こうした目の動きはほかの球技にもほぼ当てはまります。
