アイズストレッチは、若い人から高齢者まで、さまざまなシーンで発生する危険を回避する能力を向上させることができます。主に4つに分かれますが、それぞれのシチュエーションで生じる危険を回避するために向上させておきたい能力ですので、年齢に関係なくアイズストレッチを行うことで、危険を退けながら安全な人生を歩んでいくことになるといえるでしょう。
1.運転中の危機察知能力
車を運転する人のほとんどが、自賠責保険だけでなく任意の自動車保険に加入します。その理由は、もし車で人をはねてしまってけがをさせることや最悪、命を奪うことになってしまったとき、自賠責保険ではとても賠償できないからです。高額の賠償でも任意の自動車保険に入っていれば、対人対物無制限補償を選ぶことで、すべて保険によって賠償されます。
心の傷は残りますが、少なくとも金銭的な解決はできるのがせめてもの救いでしょう。そんな任意の自動車保険は、高齢者になるほど保険金は高めになっていきます。若いうちは運転の未熟さや飛ばしたいという欲求からくるリスクによって掛け金が高めですが、30代からは運転技術もアップし安全運転によって交通事故発生件数は少なく、70歳以下は掛け金が安いのが特徴です。
けれど、40代を境に目を動かす筋肉が急激に老化し始めます。運転に必要とされる動くものを見る動体視力と周りを認識するための周辺視野が衰え始め、70代に入ると5歳児並みに衰えるのですから、高齢者の運転の危機察知能力が低いのも無理はありません。アイズストレッチを行えば、運転に必要な動体視力と周辺視野をつかさどる目の筋肉をほぐすことができるため、危険察知能力をアップさせられます。
アイズストレッチでは特に周辺を見る能力である周辺視野が広がるため、周りの動きがよく見えることから、周囲の状況を正確に把握することができるようになるからです。周囲の状況がより早くわかるようになれば、この後どのように周囲が動いていくかを予測する時間を得ることができるようになり、前方を走る自転車が急に動いてくるのではないかとか、後ろからトラックが近づいてきたといった認識に基づき、もしかしたら自転車がこけることや急に方向を転換することがあるかもしれないと考えてスピードを落とすことができるでしょう。
後方から近づくトラックが前に気を取られてよく見ていない場合には、避けられる場所があれば避けたり、クラクションを鳴らして気付かせたりといった具合に、先手を打つことができるのです。
周囲の状況を把握する力が向上すれば、運転中に視野の狭さからくる状況判断能力の低下が引き起こす事故を避けることができます。
2.段差のつまずき予防
高齢になるとどうしても足が上がりにくくなり、つま先が段差に引っかかってつまずくことが増えてきます。
つまずいたら転倒は免れませんし、特に女性は骨がもろくなってしまっているため、骨折でもしようものなら寝たきりへ一直線です。アイズストレッチでは、目を動かすための6本の筋肉を効果的にストレッチングしますので、これによって目を動かせる範囲、いわゆる可動域を広げることができます。
高齢者に多い段差のつまずきの要因は、足元をはじめとする周辺の状況がよく見えていないことが原因で起こることがほとんどですので、可動域を広げることで周辺がよく見えるようになれば、あそこに段差があるから気を付けて歩かなければという認識が、事前にきちんとできるようになるというわけです。足が上がっていないためにつまずくのは筋肉の衰えによるもので、こちらは適度な筋トレが効果的ですが、段差があることに気付かなかったというケースでは、足先を含めて周囲の状況を見るための目の可動域が狭まっているのが原因と考えたほうがよいでしょう。
アイズストレッチを行うことで可動域を広げることができれば、この先には段差があるということに早く気付けますので、気付かずにつまずいて転んでしまうという事態を予防することができます。
3.文字を読むスピード向上
デジタル化が進む今の世の中、耳で情報を仕入れるという方法がいろいろ登場していますが、現代人は情報の大半を圧倒的に視覚から手に入れています。大学入試や資格取得のために勉強をするにあたっては、かなりの量の文字を読みこなす必要があります。さらに、テスト問題を早く読めるかどうかで結果が大きく変わることも珍しくありません。
大学受験で国語ともなると問題を解くために最初に読まなければならない文章が非常に長くなることから、読むのに時間がかかっていると問題を最後まで解くことができません。問題文を早く読むことができなかったばかりに、制限時間内に問題を半分しか解くことができなかったとなれば、根底から勉強の仕方を見直す必要があります。それが、文字を早く読めるようにすることです。
アイズストレッチを行うことで、物の見方や文字の捉え方を正しく身に付けることができるため、速読が可能になります。文字の捉え方が変わることで読むスピードが飛躍的にアップしますが、それには文章全体の見方も大きく影響してきますので、アイズストレッチではこれら二つの要素を一つにしたストレッチを行うことによって、速読の技術を身に付けられるようにしています。
4.周辺察知能力
危険を回避するには、周辺の状況を察知する高い能力が求められます。周辺の状況を察知する方法として目で聞くほかにも耳で聞くという要素もありますが、人はたいていは目から情報を得ようとします。目で見て得た情報を脳で処理し、その結果、脳から出された指令によって行動するというのが一般的な流れです。
より速く周辺の状況を察知し、危険があると判断できれば、場合によってはすぐさま危険回避行動に移ることができるでしょう。目は、耳から聞いて得るよりも、多くの情報を瞬時に捉える能力に優れているからです。アイズストレッチが効果を発揮するのは、目から情報を得る能力をより強化できるという点です。目からより多くの情報を得ることができれば、状況把握をより的確なものにしてくれるからで、そのためには目の前のものだけがよく見えているのでは役に立ちません。
目が動く範囲はすべて、しかも素早く見ることができないと、危険が迫っていたとしても見落としてしまう可能性があるからです。問題は、目が届く範囲は老化によってだんだん狭くなっていくことです。範囲が狭くなれば、どれだけ懸命に目を動かしたとしても、どうしても見落とす場所が出てきてしまうでしょう。アイズストレッチをすることで目の可動域を広げることができますので、日々のストレッチの効果によって可動域が広げられていれば、さまざまな方向へより広範囲に目を動かして情報収集をすることができます。
より多くの場所へと目を動かし、情報を収集できる視力のことを動体視力といい、動体視力がよくなると素早く情報を集めて脳に伝達し、脳からの指令も早く出せるようになります。危険を前にして早く逃げろ、逆にその場を動くなといった指令が、より速やかに脳から出されるようにするには、動体視力との関係は切っても切れないといえるでしょう。危険を回避する能力とは、素早い動体視力で周囲の状況を的確に見てとることであるといっても過言ではなく、アイズストレッチで動体視力を鍛えることが大切です。